SASの資格は取得難易度は高い?エンジニアについて最新版を解説。SAS言語というと、統計データを分析するソフトウェアで解析職で使われるとてもニッチで技術者が少ない分野です。それもあってか、あまり知らない人が多いのが実態。そこでSAS言語はどれくらい習得が難しいと言われているのか?そしてどれくらいでプログラミングができるようになるのかを説明します。
SASの歴史について
SAS(Statistical Analysis System)の歴史は、統計解析とデータ管理の世界で非常に重要です。以下に時系列で整理します。
1. 開発の始まり(1960年代後半)
- 発端: アメリカ・ノースカロライナ州立大学の統計学部で、統計学者の Anthony J. Barr と James Goodnight らが農業実験のデータ解析を効率化する目的で開発を開始。
- 目的: 大規模な農業データを処理するための統計解析ソフトウェア。
- 特徴: 当初は大学の内部用のツールで、FORTRANを使って開発。
2. SAS Instituteの設立(1976年)
- 設立: 開発チームは SAS Institute Inc. を設立し、商用化を開始。
- 初期製品: 「SAS System」という名称で、統計解析だけでなくデータ管理機能も備えた総合的なソフトウェアとして提供。
- 主要顧客: 大学や研究機関から、政府機関や企業へ。
3. 1980年代 – 商用展開の拡大
- 特徴: IBMなどのメインフレームで稼働する大規模データ処理向けソフトとして普及。
- SAS言語: 独自のプログラミング言語が整備され、統計処理・データ管理・レポート作成が可能に。
- 用途: 医療、保険、金融などの産業分野での利用が増加。
4. 1990年代 – Windows対応とGUI化
- SASはWindows環境に対応し、GUI(Graphical User Interface)による操作も可能になった。
- SAS/GRAPH, SAS/STAT, SAS/ETS など、モジュール化された製品群が登場。
- 企業利用: ビジネスインテリジェンス(BI)や意思決定支援ツールとしての評価が高まる。
5. 2000年代 – ビッグデータと分析ソリューション
- SAS 9.1(2004年頃):大規模データ分析に対応。
- データマイニングや予測分析、テキスト分析など先進的分析機能を強化。
- SAS Enterprise Guide: プログラミング不要で分析可能なGUIツール。
6. 2010年代~現在 – クラウドとAI分析
- SAS Viyaの登場で、クラウド環境や分散データ処理に対応。
- AI・機械学習・ディープラーニングなどの高度分析もサポート。
- RやPythonとの連携も可能になり、より柔軟なデータサイエンスプラットフォームへ進化。
まとめ
- 1960年代: 農業データ解析用に大学で開発。
- 1976年: SAS Institute設立、商用化開始。
- 1980年代: メインフレームで大規模データ解析、SAS言語完成。
- 1990年代: Windows対応、GUI化、モジュール製品展開。
- 2000年代: ビッグデータ・予測分析対応。
- 2010年代~現在: クラウド・AI対応、データサイエンスプラットフォームへ進化。
SASの特徴について
SAS(Statistical Analysis System)の特徴は、単なる統計ソフトを超えて、データ分析・管理・可視化・意思決定支援を総合的に行える点にあります。整理すると以下の通りです。
1. 総合的な分析プラットフォーム
- データの 取得・加工・統計分析・レポート作成 まで一貫して行える。
- 単なる統計解析ソフトではなく、ビジネスインテリジェンス(BI)やデータマイニングにも対応。
- モジュールごとに専門機能があり、必要に応じて拡張可能。
- 例: SAS/STAT(統計解析)、SAS/GRAPH(グラフ作成)、SAS/ETS(時系列解析)
2. 大規模データ処理に強い
- メインフレーム、UNIX、Windows、Linuxなど幅広い環境で動作。
- 数百万〜数十億件規模のデータも処理可能。
- 分散処理や並列処理機能を備え、大規模データ分析に適する。
3. 高度な統計解析・予測分析
- 回帰分析、分散分析、多変量解析、時系列解析など豊富な統計手法を搭載。
- データマイニングや予測モデルの構築も可能。
- AI・機械学習アルゴリズムもサポート(SAS Viyaでディープラーニングも可能)。
4. 信頼性と安定性
- 長年の実績により、多くの業界で信頼されている。
- データ管理や統計解析の結果の再現性・正確性が高い。
- 金融、医療、保険、政府機関など、正確性が重視される分野で広く採用。
5. GUIとプログラミング両方に対応
- SAS言語による柔軟なプログラミング。
- SAS Enterprise GuideなどのGUIで、コーディングなしでも分析可能。
- 初心者から上級者まで対応できる柔軟性。
6. データ可視化・レポート作成が充実
- SAS/GRAPHやODS(Output Delivery System)で高品質なグラフやレポートを生成。
- 分析結果をPDF、HTML、Excelなど多様な形式で出力可能。
- ビジネス向けのプレゼン資料作成にも利用できる。
7. 他言語・ツールとの連携
- PythonやRとの連携が可能で、最新の機械学習ライブラリも利用可能。
- SQLとの統合でデータベース操作もスムーズ。

SAS資格の概要と重要性
SAS資格は、SASを用いたデータ分析・統計解析のスキルを公式に証明する資格で、特にビジネス・研究・IT分野でのキャリアにおいて非常に有用です。以下に概要と重要性を整理します。
種類
SAS資格は、大きく分けて以下のカテゴリがあります。
- SAS Base Programmer
- SASプログラミングの基礎スキルを証明。
- データステップ、PROCステートメント、データ操作、基本的統計処理などを扱う。
- SAS Advanced Programmer
- Baseの上級資格。
- 高度なデータ処理、マクロプログラミング、効率的なコード作成能力を証明。
- SAS Clinical/Analytics/Business Intelligence関連資格
- SAS Clinical Trials Programmer: 医薬・臨床試験向け。
- SAS Predictive Modeler: データマイニング・予測分析。
- SAS BI Content Developer: ビジネスインテリジェンス関連。
- SAS Viya関連資格
- クラウド環境や最新AI・機械学習分析のスキルを認定。
- Python/R連携やディープラーニングなどもカバー。
試験形式
- 選択式・実技問題を組み合わせた形式が一般的。
- 試験時間は約2時間前後。
- オンライン受験も可能(SAS公式サイトで登録)。
SAS資格の重要性
① スキルの証明
- 「SASを使ったデータ分析ができる」という客観的証明になる。
- 求人や転職活動で強みになる。
② キャリアの幅が広がる
- 金融、製薬、保険、政府機関、マーケティングなど、SAS利用業界で評価される。
- Base資格からAdvanced資格へステップアップすることで、より高度な分析や管理職にも挑戦可能。
③ 給与・待遇面で有利
- 統計解析やデータマイニングの需要が高く、SAS資格保持者は平均より高い給与水準を得やすい。
- 特に医薬・金融分野での市場価値が高い。
④ 学習の指針になる
- 資格取得を目標に学習することで、独学でも体系的にSASスキルを身につけやすい。
⑤ 国際的な認知度
- SASは世界中で使われており、資格も国際的に有効。
- 海外のプロジェクトや外資系企業でもスキル証明として活用可能。
SAS資格の難易度はどれくらいか
SAS資格の難易度は、取得する資格の種類や受験者のバックグラウンドによって大きく変わります。以下に整理します。
1. SAS Base Programmer
難易度
- 初級〜中級レベル。
- プログラミング経験者であれば比較的取りやすい。
- 未経験者は独学だと学習時間が必要(目安:80〜120時間)。
学習範囲
- データステップの基本操作
- PROCステートメント(統計・集計・並べ替え)
- データ管理(結合・サブセット)
- 簡単な統計解析(平均・分散・頻度など)
ポイント
- 問題は選択式が中心だが、コードを読む理解力が問われる。
- 実務経験があると合格しやすい。
2. SAS Advanced Programmer
難易度
- 中級〜上級レベル。
- Base資格取得者向けで、プログラミングの応用力・マクロ知識が必要。
- 学習時間の目安は150〜250時間。
学習範囲
- マクロプログラミング
- 高度なデータステップ処理
- 効率的なコード作成・トラブルシューティング
- 複雑な統計解析の利用
ポイント
- 実務での経験があるかどうかが大きく影響する。
- 理解だけでなく、自分でコードを書いて実行できる力が必要。
3. 専門資格(Clinical、Predictive Modeler、BIなど)
難易度
- 中級〜上級。
- 専門分野の知識(医薬、マーケティング分析など)が求められる。
- 統計や分析の知識が不足している場合は難易度が高い。
ポイント
- 専門資格は実務で使う知識が前提なので、勉強だけでなく現場経験があると合格率が高まる。
4. 総合評価
| 資格 | 難易度 | 学習時間目安 | 対象者 |
|---|---|---|---|
| SAS Base Programmer | ★★☆☆ | 80〜120時間 | 初級〜中級 |
| SAS Advanced Programmer | ★★★★ | 150〜250時間 | 中級〜上級 |
| SAS Clinical / Predictive | ★★★★ | 200時間以上 | 専門知識あり |
| SAS Viya / AI系 | ★★★★〜★★★★★ | 200時間以上 | データサイエンス経験者 |

SAS資格取得のための学習方法
SAS資格を効率的に取得するためには、単にテキストを読むだけでなく、手を動かして実際にコードを書き、理解を深める学習法が効果的です。以下に体系的な方法を整理しました。
1. 学習計画を立てる
- まずどの資格を目指すか決める(例:Base Programmer → Advanced Programmer)。
- 学習期間を設定する(目安:Baseは2〜3か月、Advancedは3〜6か月)。
- 学習時間を1日1〜2時間、週末はまとめて3〜4時間など計画的に確保。
2. 公式教材・テキストで基礎を学ぶ
- SAS公式サイトやSAS Pressの教材を活用。
- 例: SAS Certified Base Programmer for SAS 9の公式ガイド
- 基礎概念、データステップ、PROCステートメント、統計処理を体系的に学ぶ。
- 重要なのは 「理解して手を動かせる」レベルまで落とすこと。
3. ハンズオンで実践
- 実際にSASソフトやSAS OnDemand for Academicsを使って演習。
- 以下の手順で練習すると効果的:
- 教材の例題を自分で入力して動かす
- コードの意味を理解する
- 自分でアレンジして別のデータで試す
- 手を動かす量が理解度と合格率に直結。
4. 過去問題・模擬試験で慣れる
- SAS資格の過去問や模擬試験を繰り返し解く。
- ポイント:
- 選択問題で出やすいポイントを把握
- エラーやバグを解決する力を養う
- 公式サイトで提供されているサンプル問題も活用可能。
5. マクロ・応用機能は段階的に学ぶ
- Base資格取得後にAdvancedを目指す場合:
- マクロ変数、マクロ関数、ループ処理などを段階的に理解
- 複雑なデータ加工や効率的なコード作成を実践
6. 学習のポイント
- 理解優先: 暗記より「なぜそうなるか」を理解する
- 手を動かす: 実際にコードを書かないと身につかない
- 小さなプロジェクト: 自分で簡単なデータ集計やレポート作成を行う
- 復習: 過去に間違えた問題や苦手分野は繰り返す
7. 推奨学習スケジュール(Base資格例)
| 期間 | 学習内容 |
|---|---|
| 1〜2週目 | SASの基礎概念、データステップの理解 |
| 3〜4週目 | PROCステートメント、基本統計処理の演習 |
| 5〜6週目 | データ結合、サブセット、グラフ作成演習 |
| 7週目 | 模擬試験・過去問題演習 |
| 8週目 | 苦手分野の復習と最終確認 |
SAS資格取得後のキャリアパス
SAS資格を取得した後は、データ分析・統計解析の専門スキルを活かして、多様なキャリアパスを選ぶことができます。資格取得は「SASが使える」だけでなく、実務での分析力・問題解決力の証明になるため、キャリアの幅を広げる強力な武器になります。
1. データ分析・統計関連の職種
① データアナリスト
- データの集計・分析・可視化を担当。
- SAS資格があると、金融・保険・製薬業界で信頼性が高い。
- 仕事内容例:
- 売上データや顧客データの分析
- 週次・月次のレポート作成
- KPI分析
② データサイエンティスト
- 予測分析や機械学習を用いて意思決定支援。
- SASの高度分析機能(Predictive Modeling, Machine Learning)を活用。
- 仕事内容例:
- 売上予測モデルの構築
- 顧客行動予測
- データマイニングプロジェクト
③ 臨床試験・製薬業界の統計解析担当
- SASは医薬品開発や臨床試験で標準ツール。
- Clinical ProgrammerやBiostatisticianとして活躍可能。
- 仕事内容例:
- 臨床試験データの整理・解析
- FDAやPMDA向け報告書作成
- 統計モデル構築
2. IT・システム関連職種
① ビジネスインテリジェンス(BI)アナリスト
- SAS BI製品を用いてデータ可視化・分析基盤を構築。
- レポート作成・ダッシュボード設計など。
② SASコンサルタント
- 企業のSAS導入支援やデータ分析プロジェクトのコンサルティング。
- SAS資格保持者は信頼性が高く、プロジェクトリーダーやコンサルタントとして活躍可能。
3. フリーランス・独立も可能
- SAS資格でスキルを証明できるため、案件単位での契約も可能。
- 金融、製薬、保険などSASを必要とする分野でのフリーランス案件は比較的報酬が高め。
4. キャリアのステップ例
| 資格レベル | 推奨キャリア |
|---|---|
| Base Programmer | データ入力・集計、初級データ分析担当 |
| Advanced Programmer | 高度分析、予測モデル構築、プロジェクト担当 |
| Predictive Modeler / Clinical | 専門分野での統計解析・コンサルティング |
| Viya / AI系 | データサイエンス・AIプロジェクト、クラウド分析 |

SAS資格の受験対策
SAS資格を効率的に取得するためには、試験の出題傾向を把握し、理解と実践をバランスよく学習することが重要です。以下に具体的な受験対策を整理しました。
1. 試験内容の把握
SAS Base Programmer(例)
- 出題範囲
- データステップの作成
- PROCステートメント(集計、統計処理)
- データ管理(結合・抽出・ソート)
- 基本的な統計処理(平均、分散、頻度)
- 出題形式
- 選択問題(多肢選択式)
- コードの理解問題(実際のコードを読み解く)
Advanced Programmer
- マクロプログラミング
- 高度なデータ処理
- 複雑な統計解析
- エラー処理や効率的なコード作成
💡 ポイント: 出題内容は資格レベルによって異なるため、まずは公式ガイドで範囲を確認。
2. 学習方法
① 公式教材・参考書で基礎固め
- SAS Institute公式ガイドやSAS Pressのテキストを使う。
- 基本概念や各ステートメントの意味を理解する。
② 実践演習(Hands-on)
- SAS OnDemand for Academicsや自社SAS環境で演習。
- 例題を自分で書き換えて試す:
- データセット作成、加工
- PROCステートメントで集計・分析
- 条件分岐やループ処理
③ 過去問題・模擬試験で慣れる
- 出題傾向や問題形式を把握
- 間違えた問題は必ず復習し、理解できるまで繰り返す
- 模試を時間制で解くことで本番の緊張に慣れる
④ マクロ・応用機能は段階的に学ぶ(Advanced向け)
- マクロ変数、マクロ関数、条件分岐、ループ
- 複雑なデータ処理の演習
- 実務で使うシナリオを想定して練習
3. 試験直前対策
- 苦手分野を重点的に復習
- 過去問や公式サンプル問題を再度確認
- 簡単なコードは手を動かして書けるようにする
- 試験環境(オンライン・会場)での操作方法を確認
4. 学習スケジュール例(Base資格・2か月プラン)
| 週 | 学習内容 |
|---|---|
| 1〜2週目 | SASの基礎概念、データステップの理解 |
| 3〜4週目 | PROCステートメント、基本統計処理演習 |
| 5週目 | データ管理(結合、サブセット、ソート)演習 |
| 6週目 | 高度なPROC演習、グラフ作成 |
| 7週目 | 過去問・模擬試験で総復習 |
| 8週目 | 苦手分野重点復習・最終確認 |
SAS資格取得にかかる費用と時間
SAS資格を取得するには、受験費用だけでなく、学習にかかる時間も考慮する必要があります。以下に整理しました。
1. 費用
① 受験料(2025年時点の目安)
| 資格 | 受験料(米ドル) | 備考 |
|---|---|---|
| SAS Base Programmer | 約180〜200 USD | Baseは入門レベル |
| SAS Advanced Programmer | 約180〜200 USD | Base資格保有が前提 |
| SAS Predictive Modeler / Clinical Programmer | 約200〜250 USD | 専門資格 |
| SAS Viya / AI関連資格 | 約200〜250 USD | 最新分析・クラウド対応資格 |
- 支払い方法: クレジットカードやSAS公式サイトからのオンライン支払い。
- 再受験: 不合格の場合は再受験費用がかかる。
② 学習費用
- 公式教材: 100〜300 USD程度(書籍や公式オンラインコース)
- オンライン学習プラットフォーム: 30〜100 USD/月
- ハンズオン環境: SAS OnDemand for Academicsは無料、企業版は有料
- 合計で、独学であれば 2〜5万円程度、講座を受講する場合は 10万円以上 かかることもある。
2. 学習にかかる時間
① Base Programmer
- プログラミング未経験者:80〜120時間
- プログラミング経験者:50〜80時間
- 学習期間の目安:2〜3か月(1日1〜2時間学習)
② Advanced Programmer
- Base資格保有者向け:150〜250時間
- 学習期間の目安:3〜6か月(平日1時間+週末3時間程度)
③ 専門資格(Clinical / Predictive / AI)
- 統計・分析経験者:150〜200時間
- 未経験者:250時間以上
- 学習期間の目安:3〜6か月
3. 費用対効果の目安
- SAS資格は取得することで、金融・保険・製薬など専門職での就職・転職に有利。
- 高度分析や専門資格を持つと、給与水準やキャリアの幅も大きく向上。
- 投資額は少なくないが、専門職での市場価値を高める効果がある。

SAS資格取得の成功事例
SAS の資格取得によってキャリアで成功した — つまり「資格 → 実務/転職/キャリアアップ」に結びついた事例はいくつか公開されています。ここでは代表的なものを紹介します。また、「なぜ成功しやすいのか」という背景もあわせて解説します。
SAS Institute による公式サクセス・ストーリー
- ある人物(Luke DuLiu氏)は、「SAS Base Programmer」と「SAS Advanced Programmer」の認定資格を取得後、米国の医療機関 Kaiser Permanente にて「SAS Analytical Programmer II」の職に就きました。資格取得が「転職のきっかけ」となった例とされています。
- また学生時代に他言語+データマイニング専攻だった人(Latha N. Adiga氏)は、SASの認定を履歴書に書ける価値ある資格と捉え、「試験は難しかったが、資格取得は就職活動の際に就業チャンスを広げる」と語っています。
- さらに、ある大学(University of Missouri)では、学生向けにSASの短期特訓コースを設け、多くの受講生がSAS認定資格を取得。その後、認定を武器に就職活動で高い関心を企業から得て、「Research Analyst」として就職に成功した例が報告されています。
医薬/臨床分野でのキャリア形成 — Clinical SAS の例
- SAS Academy のClinical SASコースの卒業生には、CRO(受託研究機関)や製薬会社、医療関連企業で「Clinical SAS Programmer」「Statistical Programmer」「Clinical Data Analyst」などとして活躍する人が多くいます。特に臨床試験データの分析や医薬品開発の統計解析分野での就業が報告されています。
- こうしたポジションには、日本だけでなくグローバルでも需要があり、国際的なキャリアにつながることもあるようです。
🎯 これらの成功に共通する“条件”と“学び”
上記のような成功事例を見ると、以下のような共通点があります:
- 資格+実践経験
単に資格を持っているだけでなく、SASを実務で使える/使った経験がある人 — たとえば大学での研究、インターン、CROでの実務など — が強みになっている。資格だけが目的では “転職の切符” にしづらい。 - 専門分野との親和性
医薬・臨床、保険、金融、政府/公共機関など、SASが伝統的に使われてきた業界では依然として需要が高い。こうした分野で「統計・データ分析 + SAS」がスキルとして活きる。 - 資格の「見える化」
SAS公式の認定証やデジタルバッジを履歴書/CVに載せることで、雇用者に「この人はSASを使いこなせる」という信頼感を与えている。 - 戦略的キャリア設計
ただ「SASを学ぼう」ではなく、「どの業界で・どのようなポジションで使いたいか」を見据えたうえで資格取得 → 応募 という流れを意識している人が多い。
SAS資格に関するよくある質問
SAS資格に関して、多くの受験者やこれから受験を考えている人が疑問に思うポイントをまとめました。資格取得前・取得後の両方で役立つFAQです。
1. SAS資格にはどんな種類がありますか?
- Base Programmer:SASの基本操作・プログラミングスキルを証明。
- Advanced Programmer:Base資格取得者向け。高度なプログラミング・マクロ操作・複雑なデータ処理スキルを証明。
- Predictive Modeler / Clinical Programmer / BI関連資格:専門分野に特化した分析・統計・臨床データ解析スキルを証明。
- SAS Viya / AI系資格:クラウド分析、機械学習・ディープラーニング対応スキルを証明。
2. SAS資格の難易度はどれくらいですか?
- Base:初級〜中級レベル。プログラミング未経験者でも学習すれば取得可能。
- Advanced:中級〜上級。Base資格保持が前提。マクロや複雑な処理の理解が必要。
- 専門資格:中級〜上級。統計や業界知識(医薬、金融など)が求められる。
3. どれくらい勉強すれば合格できますか?
- Base資格:50〜120時間(経験者は短縮可能)
- Advanced資格:150〜250時間
- 専門資格:150〜250時間以上、業界経験があると有利
※学習期間は1日1〜2時間、週末にまとめて学習する形で2〜3か月〜6か月程度が目安。
4. 受験料はいくらですか?
- Base / Advanced:180〜200 USD程度
- 専門資格:200〜250 USD程度
- SAS公式サイトでオンライン受験が可能。再受験も同額程度。
5. 学習におすすめの教材は?
- SAS公式教材(SAS Press、オンラインコース)
- SAS OnDemand for Academics(無料でハンズオン演習可能)
- 過去問題集や模擬試験で出題傾向に慣れる
6. SAS資格はキャリアに役立ちますか?
- データ分析・統計解析スキルの証明になり、特に 金融・保険・医薬・公共機関で評価される。
- Base資格取得後、Advancedや専門資格に進むことで、給与・待遇・転職での有利性が増す。
- SAS資格保持者は国際的にも評価され、海外案件や外資系企業でも活用可能。
7. 取得後のキャリアパスは?
- データアナリスト、データサイエンティスト
- Clinical SAS Programmer(製薬・医療分野)
- BIアナリスト、SASコンサルタント
- フリーランス/独立も可能
8. SAS以外のスキルも必要ですか?
- 統計学の基礎知識は必須
- SQL、Python、Rなど、SASと組み合わせると分析能力がさらに高まる
- 特にAdvancedや専門資格は業務経験やドメイン知識(医薬、金融など)があると有利
9. 試験はオンラインでも受けられますか?
- はい、SAS公式サイトからオンライン受験が可能
- 試験環境や手順は事前に確認し、ネット環境・ブラウザ設定を整えておく必要あり
10. SAS資格はどのくらい有効ですか?
- Base・Advanced資格は更新不要(永久有効)
- ViyaやAI系など、一部の新資格は最新バージョンに対応するため定期的な学習が望ましい
💡 まとめ
SAS資格は「SASを使ったデータ分析スキルを証明する公式資格」であり、
- 初心者でもBaseから始められる
- Advancedや専門資格でスキルを拡張できる
- 金融・医薬・公共機関などのキャリアに直結
という特徴があります。
仕事を探しているなら
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